2014年6月27日2021年2月11日

Apple ProResをMXF(XDCAM HD 422)フォーマットに変換するwith FFmbc

FFmbcというプログラムを使って、Apple ProResをMXFフォーマット(XDCAM HD 422)に変換するメモです。

環境はMac OS X10.9.3です。Linuxでも可能だと思います。

前提とする環境

XcodeとXcodeの「Command Line Tools」がインストール済みで、gccによるビルド環境が整っていることを前提とします。

手順

1.yasmのビルド
2.x264のビルド
3.lameのビルド
4.FFmbcのビルド
5.Apple ProResフォーマットの動画をMXF(XDCAM HD 422)フォーマットに変換してみる

※ビルドに関しては、FFmbc専用のディレクトリを作って、その中に上記の関連プログラムをまとめた方が無難だと思います。
※ソースについては、ダウンロードする時期によってバージョン番号等が変わる場合があるので、以下のメモでもファイル名は適宜読み替える必要があります。

1.yasmのビルド

yasmはこの次のx264のビルドに必要なアセンブラです。

ソースのダウンロード

http://yasm.tortall.net/

yasmのビルド

#ソースを展開
zxvf ./yasm-1.2.0.tar.gz

./configure --prefix=【yasmのインストール先】

make
make install

2.x264のビルド

h264の動画ソースも扱えるようにするため、x264をビルドします。

ソースのダウンロード

http://www.videolan.org/developers/x264.html

x264のビルド

#ソースを展開
tar zxvf ./last_x264.tar.bz2
#yasmの実行プログラムへのパスを通す
export PATH=【yasmのインストール先】/bin:${PATH}
#yasmのヘッダー、ライブラリへのパスを指定
./configure
--prefix=x264のインストール先
--extra-cflags="-I【yasmのインストール先】/include"
--extra-ldflags="-L【yasmのインストール先】/lib"
--enable-static

make
make install

3.LAMEのビルド

音声がmp3の場合にも対応できるようにLAMEをビルドします。

ソースのダウンロード

http://lame.sourceforge.net/

LAMEのビルド

#ソースを展開
tar zxvf ./lame-3.99.5.tar.gz

./configure
 --prefix=【lameのインストール先】

make
make install

4.FFmbcのビルド

ようやく本来の目的であるFFmbcのプログラムのビルドを行います。

ソースのダウンロード

http://lame.sourceforge.net/

FFmbcのビルド

#ソースの展開
tar zxvf ./FFmbc-0.7-rc8.tar.bz2
#LAME,x264を有効にして、gplライセンスを指定し、LAMEとx264のヘッダーとライブラリへのパスを指定
./configure
 --prefix=【FFmbcのインストール先】
 --enable-libmp3lame
 --enable-libx264
 --enable-gpl
 --extra-ldflags="-L【x264のインストール先】/lib -L【LAMEのインストール先】/lib"
 --extra-cflags="-I【x264のインストール先】/include -I【LAMEのインストール先】/include"

make
make install

4.Apple ProResフォーマットの動画をMXF(XDCAM HD 422)フォーマットに変換してみる

FFmbcの実行プログラムへのパスを通す

export PATH=【FFmbcのインストール先】/bin:${PATH}

動画の変換を実行する

ffmbc -i 【変換するファイル.mov】
 -target xdcamhd422
 -an 【出力するファイル名.mxf】
 -acodec pcm_s24le
 -ar 48000
 -newaudio
 -acodec pcm_s24le
 -ar 48000
 -newaudio
 -map_audio_channel 0:1:0:0:1:0
 -map_audio_channel 0:1:1:0:2:0

おわりに

なぜにApple ProRes to MXF

放送局とかにはXPRI(エクスプリ)という、ソニーのノンリニア編集システムがあったりしますが、そこでは主にMXFという動画フォーマットでファイルのやり取りが行われているようです。

そのような場で、AppleのFInalCutPro Xとかで編集した映像を、最終的な納品物として仕上げるためにXPRIを使う、となったときに素材渡しをどうするかという話です。

FInalCutPro Xで書き出すことができるフォーマットで、一番高品質なのはApple ProResという形式なのですが、XPRIではAppleProResフォーマットは読み込めないようです。
他の方法として、XPRIはh264は扱うことができるので、FinalCutPro Xからの書き出しをh264で行えばmp4素材としてXPRIに渡すことは可能です。

しかし、h264は高圧縮の動画フォーマットなので、エンコード時に何らかの劣化が起こらないか心配です。検証していないので何とも言えませんが。。。

というわけで、XPRIには高品質で書き出したフォーマットで渡した方がいいのではないか。と思った次第です。

でも結局は、、、

FinalCutPro XからXPRIへの素材渡しについて、今回検証した2通りの方法だと、
・FinalCutPro Xでh264書き出し→XPRIで読み込み
・FinalCutPro XでApple ProRes書き出し→FFmbcでMXFに変換→XPRIで読み込み
ということで、MXFにする場合は変換処理で一段階多いので、結局どちらの方法でも品質としてはあまり変わらないかも(´∀`)。

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